bon

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしいのbonのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

※かなり個人的な感想です※

会話の中で明らかにリズムを乱す「間(言い淀んでしまう時間)」があったが、親友とは無言でも気まずくないと感じるようなそんな雰囲気を感じる映画だった。

前半までは私はぬいサーのことを理解できているし、そちら側だと思っていたが、途中から私は白城と同じだと感じた。

七森は異性交友に関する会話を苦手とする節があるが、私も恋愛至上主義的な考えを持っているわけではないため、すごく共感できた。

白城はぬいサーに所属するものの、社会的理不尽を受け入れ(どうにもできないから)、一般社会に溶け込むことができる人物であった。
私も生きづらさという被害者意識はあるものの、他人に対して無意識ながら加害者となってしまう可能性のある点では、自分の写し鏡であるようにも感じた。


現代社会において男性の優位性を即時取っ払うことができない=麦戸と白城はずっと生きづらさを感じ続けてしまうのではないかと思っていたが、麦戸と七森の会話から「だからこそ、もっと話をするべきだ」という結論に至ったのはとても好きな展開だった。
七森と白城が喧嘩するシーンでも七森は対話を望んだが白城がそれに応じなかったのは印象的だった。

結局、わかりあうためには話し合うことが必要なのだ。私たちはそれぞれ違うのだから。
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