m

美と殺戮のすべてのmのレビュー・感想・評価

美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)
-
この映画を見た限りの判断でしかないが、ナン・ゴールディンはアーティストであることをやめずに社会活動を行っているが、その社会活動自体は芸術行為ではないだろう。もちろん、グッゲンハイム美術館の回廊から処方箋をばらまいたり、メットの水場で薬のケースを投げ入れる行為は華やかではあるし美的であるともとれるが、それほど洗練されてはいない。だからというのでもないが、これはいわゆるソーシャルエンゲージドアートではなくて、アーティストによる社会活動である。加えていえば、彼女の写真も(それらは優れているが)、別にソーシャルエンゲージドアートでない。薬物に対する彼女の自己批判についてであるが、やっぱり彼女にとっては「オキシコンチン」があまりにも悪質であったわけでしょう。その他の薬物と一括りにしてはいけない事情があることは、映画を見ればわかる通りである。
m

m