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美と殺戮のすべてのわかるのレビュー・感想・評価

美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)
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オピオイド危機は何となく知ってる、ナン・ゴールディンは名前しか知らない、程度の前知識で鑑賞。

ナン・ゴールディンが写真家として大成するまでの半生と、オピオイドを販売する製薬企業経営一族への抗議運動(ナンが立ち上げた組織であるP.A.I.Nによるもの)が絡み合って展開する構成になっていたが、どちらかと言うと後者の方が興味深く感じた。
オピオイド危機については「アメリカで鎮痛剤の乱用が問題になっている」程度の前知識だったので、「20年間で50万人以上の死者が出た」「外科手術後の疼痛緩和のために医師から処方された薬を服用したのに中毒になる」など想像より酷い事態があると知って驚愕した。

最序盤の、メトロポリタン美術館で薬瓶がばら蒔かれた中で人々が横たわるシーンの映像に圧倒された。エイズ危機下での抵抗運動であるACT UPを参考にしたものだそう。やっぱり視覚的なメッセージは訴求力が強い。
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