パスカル

美と殺戮のすべてのパスカルのレビュー・感想・評価

美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)
4.2
単なる1人の活動家の製薬会社へのデモ活動の記録ではなく、彼女の人生の物語だった。

彼女は何故デモ活動を行うのか?の問いに対して、わかりやすい理由をつけるのは簡単だ。彼女自身が薬の被害者だから、と。勿論間違ってないし重要な事実なのだが、それは一つの側面にすぎない。彼女が生まれてから現在までの間に出会ってきた多くの大切な人達との日々、そして別れ。その思い出全てが現在の彼女をつくっていて、だからこそ彼女は今、この活動をしているわけである。
ドキュメンタリーだけれど、とても映画的な満足度の高い(上手い言葉が見つからないが)作品だった。
タイトルの理由がわかった時、その思い入れの深さに泣きたくなる。

同年に公開されたのが『ナワリヌイ』でなければ、本作がアカデミーの長編ドキュメンタリー賞獲ってたのではないかな。
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