悪いことするとナマハゲくるよとか、夜に爪切ると親の死に目に会えないよとか、どこの国でも迷信は教訓めいてて面白い。中でも「秋茄子は嫁に食わすな」が好きなんだけど、あれ美味いもん嫁になんか与えるなって意味じゃなくて、茄子は体を冷やすから妊娠中には良くないよって意味があるらしいですね。今の日本だとうるせえな焼いて食うよって一蹴できちゃうけど、恐らく因習が村に縛りつけるためだったり、命を守るためのものとしてリアルに機能するイランでは、そんな古いものに振り回されちゃってさ〜なんて笑い飛ばせるような段階では全然ないんだろう。というか皮肉も皮肉だよね、もし熊信じてたらカップルの悲劇は起こらなかったもんなぁ。そんなものを建前と言いつつも重んじて村に閉じ込もるイランの人の現状を描きつつ、描いて社会的に訴えようとすることすらエゴとなりまた別の悲劇を招いていて、わかっていてもバッドエンドを止められない無力さにどっかりやられてしまった。あぁぁこの無常感、まさかのアフターサン以来、、、。
