サクッと見られる現代史もの。
1983年に 民政化したアルゼンチンで、1985年に行われた軍事政権の責任を追求する裁判の話。
軍政による一般市民への拉致、拷問、殺害は、他の映画で何度か見た事があたけど、この裁判の事は初めて知った。
それがどんなに困難な事だったのかは、主人公のフリオ・ストラセラ検事が、当初は引き受けたくなく逃げ隠れしているところや、引き受けた後には数々の脅しにあう事が物語っている。
独裁政権の権力者たちに対して、民主主義政府がこれほど大規模な裁判を行ったと言うのも画期的な事だったよう。
ルイス・モレノ・オカンポ副検事は軍人家族の恩恵の中で育ったものの、正義を貫くため自ら身を投じる。
そしてチームに加わるのは、ほぼ経験無しの若者たち。
4カ月ちょっとの短い期間に、16冊4000ページ800人以上の膨大な証拠が、国中から集められたというから凄い。
国を変えたいと願う、若者の想いが伝わってくる。
映画のクライマックスのフリオの論告のシーンは、怒りと正義に満ちた力強い言葉が感動的。
それでもコミカルな部分もあり、テンポも良く、重くなり過ぎず、長い映画ですがかなり見やすかったです。