はぐれ

バルド、偽りの記録と一握りの真実のはぐれのレビュー・感想・評価

4.1
バルド。チベット仏教用語で自分のアイデンティティーの置き場がないという意味らしい。アメリカ人でもメキシコ人でもない。どこにも帰属出来ない移民の悲哀をシニカルに描いた本作。

フィクションとノンフィクション、過去と現在と未来、作家と批評家、親と子、英語とスペイン語、夢と現実、、、。その全ての食材が同じまな板の上で、同じ鍋の中で調理されていく様子を眺めているようなそんな錯覚に陥りながら観ていた。

舞台挨拶で登壇したイニャリトゥ監督がメキシコでも活躍した巨匠ルイス・ブニュエルの言葉を引用していたが、まさにそのブニュエルの作品群の様にブルジョワ階級を皮肉たっぷりにぶった切り、その矛先を自らの首元にも向けて空を飛びながら剣舞している!そんな幻覚症状に似た爽快感もある!笑(自分で書いておきながら全然咀嚼出来ていないw)

イニャリトゥ「論理的な思考は一旦置いて、感じてほしい!」

そうだよな。考えるな!感じろ!
イニャリトゥの新境地を目撃出来た喜び🥺
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