イニャリトゥ監督の個人から生じたことを観念的で詩的な映像に置き換えた作品。彼の現在の存在を介してメキシコや出会った人々を自問自答するように描く。
他者や環境が鏡になるとてつもなく壮大な自分語り。
同じネットフリックス制作でメキシコを描いているキュアロン監督のROMAが自身の過去を参照して丁寧で洗練された映像のフィルムだったのに対して、
こちらは真逆の力技のオンパレードの映像体験でこれでもかってぐらいの情報量で頭ん中ぱんぱん。
これを作品にする体力っていうか執念が凄さまじい。前々から思っていたけどなんていうか抱えてることというか器の大きさが異常。キャパシティがやっぱり化け物。
他者に対しての愛情の深さをいつも感じる。