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バルド、偽りの記録と一握りの真実のQIのレビュー・感想・評価

4.0
“幻想と記憶のパッチワーク”

イニャリトゥの新作をNetflix配信前に劇場鑑賞

こういう右脳映画は大好物🤤

冒頭から延々と続く映像は現実なのか?夢なのか?妄想なのか?

なんの脈絡もないかのようなシーケンスが次から次へとパッチワークのように紡ぎ出されます。

ただそのこだわり抜いた、かつ美しい映像のどれもが右脳を心地よく刺激続け、3時間近くの上映時間も全く苦になりませんでした。

そんな映像体験はどことなく黒澤監督の『夢』を想起させます。

そしていきなり放り込まれるデビット・ボウイにトリハダ

ストーリーのベースにあるのは、メキシコの抱える様々な問題とその歴史

スペインによる文化的侵略
アメリカによる経済的侵略

そんな社会問題がテーマかと思いきや、終盤に浮かび上がる「一握りの真実」に共感できる人も多いはず。

さらにそれまでの映像が全てそこにつながる快感

決して万人受けすることのないかもしれない本作のような作品を世に送り出すNetflixは、映画界にとって貴重な制作会社だとあらためて実感しました。

p.s.
できれば映画館で集中して観ることをオススメしたい作品です。
配信の場合には3時間を一気に、相当な集中力で観る必要がありそう😅
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