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バルド、偽りの記録と一握りの真実のakikokozawaのレビュー・感想・評価

3.5
アレハンドロ・イニャリトゥ監督のNetflixオリジナル作品。「バルド」とは「中間」の意味を持ちます。
この映画の見どころを3点に分けてみました。
1点目は監督自身のバルド体験。メキシコ人の主人公は20年アメリカに住んでいるが、アメリカではよそ者扱いされ、自国へ帰ってもまるで心が休まらない。インタビューで自伝と語っている通り、これは監督の実体験であると言えます。現在も米墨戦争の溝は埋まっていない描写は彼の心の声であるかのよう。
2点目は映像美。イニャリトゥ作品の特徴といえば映像美の追求と流動的な長回しの組み合わせです。言語化能力が乏しく適切ではありませんが、この手法を体感することで脳からドーパミンが出るような衝撃が走るので、新作が出たら毎回観てしまうのです。
3点目は1点目と2点目が綺麗に重なっていなくても作品として成り立っている点。結局何が言いたいかわからないが、美しく、かつ終わり良ければそれでよしだと思えてしまう。いや、私がイニャリトゥの哲学を追えていないだけかもしれません。。
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