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バルド、偽りの記録と一握りの真実のgeminidoorsのレビュー・感想・評価

2.5
監督の初期作品はかなり好き。1.2作目はこの先もきっと忘れられない内容だ。
しかし、本作はワタシは飽きた。期待せず観ても飽きた。一言で"詰め込み過ぎ"だって。金かけてるアイデア風呂敷広げて見せられて置いてきぼり感で落胆。

才能有る御仁が名声と金を掴んでも、浸る事なく…それはヨシとしても。
合わせ鏡+万華鏡で、作家の所謂"鬱"的想いや"やるせなさ"を見せられても…だ。
凝りまくったオナニーを見せられても、ナ。
こちらはもう若くないから頭では理解が出来る分だけ、そうだなァ…苦く感じる飴の様で…素敵と感じられる様なリリカルさはワタシには感じられなかった。
スゥーっと胸ね隙間に入ってくれば、頭なんか使わずに作品の中に漂えるのに。

特に象徴として亡くなった赤子の演出が何回も出てくる。或るリアルさが個人的には無理だった。
なんせ似た経験を抱える分だろうか、芸術表現の術の一つとは云え、ジレンマを感じたりした。

(余談になるかも知れないが)劇中にビートルズのレノン作品"アイ・アム・ザ・ウォルラス"とD..ボウイの"レッツ・ダンス"が流される場面がある。
あくまで個人的な感覚かも知れないが…大好きなコレらの曲がこれまで幾つもの他映像作品で使われるのを観てきたが、本作の使い方はちっとも素敵には感じられず、寧ろイヤラしさすら感じてしまった。


何処を端折ってもおんなじ"ポキン金太郎飴"的な作品も、毎回毎度じゃ困るけれど、苦い飴を甜めるべく強制されるのは御免でござる。
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