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バルド、偽りの記録と一握りの真実のadeamのレビュー・感想・評価

1.5
イニャリトゥが監督、脚本のみならず編集と音楽にも挑んだ半自伝的なドラマ。
メキシコ出身のドキュメンタリー映画作家が賞を得て母国に凱旋するも、葛藤の中で自身のアイデンティティが揺らいでいく様を虚実入り混じった映像で描く物語です。
コルテスとのやり取りや米墨戦争の兵士たちに表れる母国の歴史に対する想い、自身に栄誉を与えたアメリカに対する愛憎、そして家族との関係といったパーソナルな心理描写をギャグなのか真面目なのか分からないシュールな表現で見せるのは、監督の深層心理が表れた夢を覗き見ているようで面白かったです。
しかしキャリアをリセットしに行ったような自己満足な作りは意図したものなのでしょうが、そもそもイニャリトゥへの思い入れが無ければ付き合うのはしんどいと思います。
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