カナダで公開日に。
「君の名前で僕を呼んで」ほどの甘さもなく、「サスペリア」ほどのどぎつさもない、混ざるはずのない2ジャンルが混ざった歪な映画という印象。
基本的には35mmの淡い映像で映し出される居場所のない少年少女のロードムービーなんだけど、いきなり狂気に転調してしまうカオス感があり北野映画にも近い。「ぼくのエリ」の北欧っぽい雰囲気を80年代のアメリカに置き換えた、みたいな感じで、ちょっとテレンス・マリックぽさもあった。
ルカ・グァダニーノ、どちらかというと脚本のジェームズ・アイヴォリーの手腕が光る「君の名前で僕を呼んで」が歴史的成功になったおかげで、ちょっとキャリアが狂わされた感がある。