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ボーンズ アンド オールのnoborushのネタバレレビュー・内容・結末

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ボーンズ アンド オール 2022年作品
Bones and All
7/10
ルカ・グァダニーノ監督
テイラー・ラッセル ティモシー・シャラメ マーク・ライランス
クロエ・セヴィニー
2023年2月17公開予定
人食いの衝動を生まれつき持っている少女(ラッセル)。18歳になって父親に
見放され、記憶にない母親を探しに旅に出る。旅の途中で他の人食いに
何人か会う。そのうちの一人の青年(シャラメ)と一緒に旅を続ける。
なにも情報を入れずに観てみた。
ルカ・グァダニーノ監督とティモシー・シャラメだから、
「君の名前で僕を呼んで」の様な耽美的な話だろうと、高を括っていたら
「サスペリア」の方で、いきなり女の子が友人の指を噛みきろうとして
びっくりした。
その後もちょっと変わった人のいいおじさん(ライランス)がブリーフ
だけで人肉に食らいついていて青春ホラーの枠を飛び越えていていい感じ。
青春ホラーは「トライライト」みたいに小綺麗なイメージがあったが、
本作はリアルに小汚いのがいい。
シャラメも小汚くて、ルックスで売れたみたいなのを払拭しようとしている
意気を感じる。テイラー・ラッセルはまあ、正直なところ全く美しくないが
シャラメみたさで来た方々にラッセル程度でも人肉嗜好があればシャラメに
お近づきになれるという期待を持たせる装置にはなっていると思う。
途中でシャラメがDV父親を妹を守るために殺したことをラッセルに告白して
ラッセルがシャラメのことを悪い人間ではないというところから、
二人が結ばれるのだけれど、人肉食べるのは悪いことだよねと思いつつ、
取って付けたようなラブシーンの持っていきかたに、青春ホラーの
限界も感じてしまった。
マーク・ライランスのカニバリズムのおっさんと、
頭の狂ったラッセルの母親クロエ・セヴィニーが最高。
ラッセルの祖母にジェシカ・ハーパーを起用することで
「サスペリア」のファンにサービスすることも忘れない、気配りの
キャスティングが良かった。
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