KnightsofOdessa

ボーンズ アンド オールのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)
2.0
[ハイウェイキラー的食人ロードムービー] 40点

2022年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。1980年代のヴァージニア州で、18歳のマレンはお泊まり会で友達の指を噛みちぎってしまい、父親から捨てられる。彼の残したテープによると、マレンは3歳の頃にベビーシッターの喉を噛みちぎって殺したらしく、一緒にあった出生証明書によると、記憶にない母親ジャネルはミネソタにいるらしい。ということで、行ってみよ~という話。『The Fits』とか『RAW』とか『チタン』みたいな、所謂人体の変化を象徴的に描くボディホラーが増えてきているので勝手に誤認していたが、寧ろ80年代というのも相まって、ハイウェイキラーの新解釈みたいな感じに見える(個人的にはラストシーンやりたかっただけと思う)。途中で食人仲間に色々出会って、敵対したり仲良くなったりする中で、リーという青年に出会い、自身が食人者であると気づくというアイデンティティのぐらつきと共に、マレンと不在の母親、リーと言及されない父親の関係性が鏡面のようになって物語の背骨となるが、前者と後者が全然混ざり合ってないので、どちらも中途半端な印象を受ける。ファッション食人描写とかいらんから、もっとグッチャグチャにしてくれよ、と。ジュリア・デュクルノーに謝れ。あと、ルカ・グァダニーノはジェシカ・ハーパー大好きなんだな。『サスペリア』にも勿論出てたけど、味を占めたか。
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