【STORY】
生まれつきの食人衝動で何度も事件を起こし、ついに父親にも見放されたマレン。彼女は1人旅に出た先で、自分以外にも食人衝動を持つ人々が存在する事を知る。
【REVIEW】
『君の名前で僕を呼んで』で儚く切ないセクシャルマイノリティの恋をしっとり描き、『サスペリア(2018)』では過激な狂気の中に迫害を受けた人々の嘆きや悲しみを描いたルカ・グァダニーノ監督。
今作は、そんな2作を経た今だからこそ監督が撮れた傑作だと思う。
グロテスク描写は結構なレベルで正直生々しいとは思うけど、マイノリティや辛い出自を持つ人々の孤独・悲しみに寄り添い続ける、美しいロードムービーであることは間違いない。
人間を食べた経験がなくても、きっと誰もが感動できるはず。
ティモシー・シャラメの眼光はやっぱり随一だけど、それ以外にもマーク・ライランスの演技がやばくて鳥肌が立った。
『サスペリア』つながりでジェシカ・ハーパーが登場したのも嬉しい!
【グロを気にする方へ】
グロレベルで言うと、序盤から終盤まで、下手なスプラッタよりもリアルです。グロくないとは到底言えません。
ただ、噛み付いてからグロい描写が映るまでに必ず一瞬の間はあるので目を瞑ることが可能です。
グロが苦手な人にも観て欲しい名作なので、噛みつきだしたら一度目を閉じたりする、という意識を忘れずに観ることをオススメします!
【ここがオシャレ】
・州をまたぎまくるロードムービー。州の名前が映るたびに、透明度のある州コード2文字が画面にドンと表示されるのがかっこいい!
・ティモシーのファッションはとにかくずっとオシャレ。あの雰囲気だから似合う服装、憧れる。
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観た回数:1回
直近の鑑賞:試写会(23.02.03)
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