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ボーンズ アンド オールのsymaxのレビュー・感想・評価

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)
3.7
"私だけかと思ってた…"

忽然と消え去った父…生まれながら"人喰い"の衝動が抑えきれないマレンは見捨てられたのだ…"もう助けられない…"父が残した出生証明書に記された母の故郷ミネソタに一人旅立つマレン…

"匂いで分かった…こんなの初めて…"

旅の途中で出会ったリー、彼もまた同族…そして二人は共に旅することに…やがて芽生えるお互いへの想いは…

ルカ・グァダニーノ監督作品を初鑑賞…

その"人喰い"のせいで、居場所も愛情も無くしてしまったマレン…彼女が出会い愛したリーとの逃避行は血みどろで狂気に満ちたモノでありながら、切なく美しく、そして何より清涼感に溢れているという不思議な世界がスクリーン上に映し出されていきます…

本作ではプロデュースも手掛けたティモシー・シャラメの美しさと言ったら…もう…

また、マレンを演じたテイラー・ラッセルの演技は、父親の庇護から解き放たれたマレンの危なっかしさを上手く表現していて素晴らしい。

マーク・ライランスの怪演は、別格の凄まじさというかもはや本物のサイコパス…

"人喰い"という衝撃設定であるので、グロ的要素が強く、ホラーと捉えがちですが、"人喰い"が一種のマイノリティと考えると、自分達の居場所を見つけるロード・ムービーと言え、美しい風景と相まって何とも言えない奥深さを感じる作品でありました。

まぁ、グロい部分がチョロチョロあるので、苦手な方には刺激が強すぎるかもしれませんが…
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