レオン

ボーンズ アンド オールのレオンのレビュー・感想・評価

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)
3.5
もっと猟奇的な物語を期待したが、ほぼロードムービー。
「羊たちの沈黙」「セブン」「SAW」等を視聴済みの方なら、グロさは全く気にならない程度。

そのロードムービーに食人・恋愛・母探し・サスペンスが加味されている。作品の規模・制作費的にはかなりB級で、シャラメとマーク・ライランスの出演料が最大の出費かと。

物語の展開も遅い目で、情報量の少ないシーンも多く、特に前半は冗長に感じる。
ただ、音楽の使い方がうまく、BGM選曲もセンスがいい。
後半二人が、広い平原シーンで流れる曲は食人物語とは思えない、美しい空気感さえ感じる。

常人にはない、同族だけが持つ様々な葛藤も手伝って、ふたりの絆を強くしているシーン等、恋愛物もお好きな方は切ない後半にかなりハートを持って行かれたのでは。(そのシーンのシャラメの涙は多分本物・・)

私はオールジャンル見ますが、唯一ラブストーリーのみ苦手で、美しい雰囲気は伝わっても、それに大きく心が揺れないタイプ。

猟奇恋愛物では、「ぼくのエリ 200歳の少女」
そのリメイク 「モールス」の方が、
圧倒的に切なく、心のメーターが揺れました・・。

ゆえに今作は平均的★評価に・・。
ただマーク・ライランスは、弱々しい語り口とは反する、不気味な持ち味を十分発揮していました。
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