Polly

ボーンズ アンド オールのPollyのレビュー・感想・評価

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)
3.5
食人の賛否を問うことがテーマではなく、この作品における食人のような扱いを受けているマイノリティの生き方を描いた作品。冒頭、普通の女の子たちはネイルで爪を染めるけど、マレンは血で望まぬ色のネイルになるのが良い対比だった。でもマイノリティの生きにくさをテーマにしてるならあの最後はどう受け取ったらいいんだろうか。公的な助けも求められないということだろうか。
CMBYNのタッグということで少し期待しすぎた感が否めないが、ルカ・グァダニーノの撮るティモシー・シャラメが一番好き。ダメージどころじゃないジーンズから覗く細くて白い脚や、血まみれでバスタブに横たわるシャラメのスクリーン映えの凄さったら。スクリーンに絡め取られて死んでしまいそうなフラジャイルさと何物をも跳ね返す切り立つような美しさのコントラストに終始見惚れた。あとサリーの気色悪さがえも言われぬ領域に達していた。ああいうのを快演というんだな。

ド余談だけど心臓を素手で抜き取るシーンを見てついハンター試験のキルアを思い出してしまいました。
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