脳みそ映画記録

ボーンズ アンド オールの脳みそ映画記録のネタバレレビュー・内容・結末

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

純愛ホラーというキャッチフレーズに誘われ映画館へ足を運びました。

なんてことはないティモシー・シャラメの美しいご尊顔を愛でるタイプの映画かぁと肩を落としました。

まぁでもきれいな顔の男子を観るのは飽きないので全然いいのですがね。

しかし、純愛もホラーも要素が謳い文句にするほどでなく退屈で、煽り文は詐欺だなと思ってました。



そう、ラスト15分前までは‥!!




あのバリキショジジイがえげつない事をしだしたところから雰囲気がガラッと変わりました。
こっわ!!!きっも!!!!
これはたしかにホラーです。ごめんなさい。
ジジイリベンジまでは穏やかな雰囲気だったのに、この落差よ!
ここの部分まちがいなくこの映画のハイライトです。いやーよかったなぁ。

純愛成分についてはラストシーンですね。
やっぱりさぁ、食べて自らの体と一つにするって究極の愛なんですよね。
セックスの比喩として体を相手と一つになると言うけど、本当に相手と一つになる唯一の方法って食べるしかないんですよ。
食べられた人は血となり肉となりその人の体を構成していく一部となります。
だから、自分が死ぬときに食べてほしいというのは、焼いて灰になったり土に埋められて腐っていくより、よっぽど意味があるし、理解できるように思います。

ラスト15分ほどで強烈な純愛ホラーを感じました。


それともう一つ意図はしていないのでしょうが障害者差別を連想しました。
食人衝動がある人間はマイノリティ側の人間で、障害者の立場に近いように感じます。
その障害を理由にティーンエイジャーの子どもが父に捨てられ、母に殺されかけるというのはなかなかつらい描写です。
多様性を謳う世の中ですが、やはりミクロの世界ではでは未だにこのようなことが起き続けているのでしょうね。