ぼっちザうぉっちゃー

ボーンズ アンド オールのぼっちザうぉっちゃーのレビュー・感想・評価

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)
3.8
『君の名前で僕を呼んで』とは一転して、カサッカサの質感とささくれ立った心の生温かさが印象的だった。
母を訪ねてのロードムービー形式に伴った少しの群像味のせいか、いまいちメイン二人の関係や心情にフォーカスし切れなかった感じもあったけれど、血肉とその乾く時間を共有する異様な繋がりの描写は退廃的にも純情にも思えて面白かった。

カニバリズムは究極の愛と言うけれど、それ自体は破壊的な衝動であり自分の欲求を満たす行動であり、自己中心的なものにも関わらず、それによって裏打ちされるのは、食事と同等に他人を必要とし、飢えているという事実であるのが改めて興味深いなと思った。