鹿shika

ボーンズ アンド オールの鹿shikaのレビュー・感想・評価

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)
3.6
愛した人を食べったくなってしまった主人公マレン。ある日、同じ悩みを持つリーという青年と出会い、二人はマレンの父を探す旅に出る。

この映画見てからこのサントラを狂うように聴いている今日この頃。
特に”(You Made It Feel Like)Home”という曲を永遠ループしてる。本当に。
仕事終わりとか聞くと、、もう、、浄化されていく感じが分かる!

そしてなんと言っても、、ティモシーが赤髪や!!大歓喜大歓喜!
そしてやっぱり儚い役が似合いますね!
不良のようだだど、根底が寂しいと叫んでるような。

人とは違うアイデンティティを持ってるけど、それは自らが望んだものではないのだ。
人を愛するということはとっても素敵なことなのに、その表現方法が人と異なるだけで、こんなに孤独になってしまうのだな。
それは倫理に反してるから、許されないことなのだが、そんな孤独を理解できるような人間でありたいと思ってるよ。偽善かもしれないがね。

だから父親が拒絶したことも責めることではない。
理解しようと頑張ってたから尚更心苦しいね。

ルカ・グァダニーノ監督は今作をおとぎ話と呼んでいる。
「若者がこの闇の世界を彷徨い、あらゆる困難に遭遇し、お互いの眼差しの中に愛を見出し、不可能を克服しようとする話」と言っているそうで。
ティーンエイジャー特有の、孤独や自己嫌悪、そして偏見などをカニバリズムという”おとぎ話”に落とし込んだ作品だった。
理解し合える存在に一人でも出会えたことが唯一の救いだったな。


「次はどこへ行こう」
「ーーどこへでも。ガソリンがなくなるまで走りましょう。そして止まった場所に住むの。」
「アパートを借りて、仕事を見つける。普通の人になるの。」
「ーー普通の人になる?そうしよう。」
「うん。しばらくは普通の人にあろう。」
鹿shika

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