孤独な2人が出会い、人を食べて、求め合い、旅をする。
「正欲」や「流浪の月」など、自分の最も深く秘めた部分をお互いに分かち合っている絆は強くて美しい。
生まれ持った性質に罪はないが、人間である以上、同族に危害を加えることはタブー。
止めることのできない自らの本能と、人間である以上乗っ取らなければならないルール。
その衝突を知っている者は、自分に嫌気がさして、他人が羨ましくて、人間の形を保とうと必死だ。そこに己の存在をまるごと受け入れ、人間として認めてくれる者が現れた時、きっと元には戻れない。
本作の絆は、本能に飲み込まれないため、"普通"に生きるための最後の砦でもある。
サリーはずっと1人だったから、やっと巡り合えた少女に依存してしまったのか。
画面越しでもだいぶキツかった。