梅田

アテナの梅田のレビュー・感想・評価

アテナ(2022年製作の映画)
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ドラッグディールにしか関心がない利己的な長男モクタール(父親は違う)、軍役上がりで警察側にいる次男アブデル、反体制グループのリーダー格である三男カリム。幼い末弟のイディールが警察の暴行により殺害されたという情報から、フランスのある団地で起こる暴動を描いた映画。
オープニング10分はカメラがあり得ない動きを繰り返しながらの長回しで、ぶっちゃけ映像的なハイライトはここなんだけど、それ以降もずっと手持ちカメラの長回し主体の緊張感ある映像が続く。ごちゃごちゃした映像をスマートに見せていく手捌きもすごいし、個人や群衆の怒りや混沌が見事にキャプチャーされていて胃の中に鉛が流し込まれたみたいな気分にもなる。ラジ・リ『レ・ミゼラブル』にもかなり似ているけどあれより短時間での出来事が濃密に描かれていてかなりの見応えだった(映画館向きですね…)。
梅田

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