フランスのアテナでとある4兄弟の末っ子が警官の暴行により死亡し、それをきっかけに起こった暴動と残された立場の異なる3人の兄弟の姿を描いた映画。
映画開始から終了までほぼ激しい暴動シーンばかりでまるで戦争映画のようでした。
映画開始してから約10分間の長回し撮影の暴動シーンは暴徒側の緊張感と作戦成功の高揚感を強く感じられた噂通りの凄さでした。
冒頭以外も長回しが多数あり、作品内で起きてる戦争のような状態とマッチして緊張感やカオス感が強く感じられて良かったです。
ちなみにどうやって撮ってるかわからないシーンも多くてとりあえず冒頭を見直したけど結局何もわからなかった笑
主要人物は3兄弟(亡くなった弟入れると4兄弟ですが)+一人。
長男:薬の売人で自己中心的なモクタール
次男:軍人で穏便に事態を収集したいアブデル
三男:弟を警官に殺された怒りから暴動を扇動するカリム
赤の他人:暴徒鎮圧に出動する警官ジェローム
この立場も思想も異なるこの4人が徐々に交わってくるストーリーはどこに着地するかわからなくて強く惹きつけられました。
個人的には三男カリムが好き。優しさ故に弟の死によって強い怒りを覚えて、暴徒を率いるリーダーとして戦う姿に思わず心惹かれました。
正直なところ終盤は少しトーンダウンした感じもありましたが、全体としては映像と勢いで非常に楽しませてくれる良い作品でした。