ay

アテナのayのレビュー・感想・評価

アテナ(2022年製作の映画)
3.5
暴徒化した若者たちとフランス警察との衝突。現実に取り壊される予定のパリ郊外の団地が舞台。カメラを高度にコントロ―ルして、動きと速さと光と、団地群や人びとの集合体のボリュームで、緊張感や抵抗感の強いスペクタクルとして暴動を新しくみせてる。美的で緻密な計算の、映えの構図が随所に。

コマーシャルな映像業界で成功後に転身した監督の、初長編ということで、映画がどれだけみる人の心理に緊密に作用するかの効果は、十分見越してるんだろうけど。長回しの主観カメラは若者たちの側にずっと立ってて、警察への怒りと好戦的な刺激をあおってた。暴動をギリシャ悲劇風のロマンとして恍惚と扱って、流血や死者の描写がやけに少なかったりして、情報処理のいびつさもひっかかった。ただ、いいたいことはすごくよく伝わった。
ay

ay