じゅんじゅん

アテナのじゅんじゅんのレビュー・感想・評価

アテナ(2022年製作の映画)
3.4
極右の自演で煽られた移民ギャングと治安部隊との衝突を描いた作品。全体的に重苦しい空気が漂っている。

フランスでは2023年にも移民少年が警官に射殺されて全土で大規模な暴動が起きており、その1年前に公開されたこの映画はまるで予期していたかのように背景が類似している。フランスではアラブ・アフリカ系移民との分断は深刻な社会問題であり、埼玉でクルド系移民が暴徒化する日本も、遠い国の出来事と言っていられないのかもしれない。

長回しワンカットのシーンが多いのがこの映画の特徴であるが、制作の舞台裏を見るとかなり危険で大変。撮影の裏側を撮影してドキュメンタリーにするのも二重に大変だろうし、ある意味舞台裏の方が面白かった。

移民のエキストラは実際の住民が演じており、撮影を機に対立するギャング団同士が仲良くなったというエピソードが良かったです。