フランス移民4兄弟の「あぁ無情」。
冒頭、10分間の長回しカット、確かに凄い。
いきなり暴動の現場に放り込まれた感、ある。
麻薬の売人、エゴイストの屑、長男モクタル。
立派な軍人、正義感の次男、アブデル。
暴動のリーダー、熱い青年、ヒーロー感のあるカリム。
そのコントラストが面白い。
暴動の発端となった殺された四男のひととなりを描かなかったのは成功か失敗か... 自分には判断つかない。
自分はどうしても三男カリブにライドしてしまう。
不平等な社会、クソッタレな政府、ぶっ壊しちまえ!
カリブが投げる火炎瓶が生み出す炎にスカッとしてしまう思いがある。
が、我々は暴力が生み出すものは悲劇だってことをわかってるんだ、
これまでの歴史の中でね。
それまでスカッと感を生み出してきた火炎瓶が起こす悲劇、エグい。
そこがこの映画の一番凄いところ。
日本じゃ数十年暴動らしい暴動は起きてないよね。
けど、みんな今の社会に満足してるわけじゃないよね?
日本でも、なんかのキッカケでこの映画のような暴動が起こるかもしれない。その可能性、ゼロじゃないって思ってる。
その暴動が生み出すものはプラスかマイナスか?
そんなことはわからない。
...けど暴動は起こるべくして起こるもの、正しい正しくないじゃないから。
そんなこと考えさせられた映画でした。
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