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サントメール ある被告のさのネタバレレビュー・内容・結末

サントメール ある被告(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

法廷内の差別描写と育児ワンオペ話が淡々と続くのがしんどくウトウトしていたが、最後の弁護士の弁論に大打撃を喰らって飛び起きた。女は怪物という言葉に涙腺が決壊して、クレジット中も劇場出た後もしばらく呆然としていた。そうそう、私たちの身体は不可逆的にキメラとなる可能性を秘めている。(息子にもキメラ細胞移るじゃん?みたいなツッコミは一旦置いておこう。今は母体の話をさせてくれ。)
私が呼吸する時、私の母も呼吸している、というオチも個人的にはとても大きな救いだった。強く入り込めた故に、もっと調べ学習が必要だなと感じる作品でもある。的を得ないロランスの答弁に観客が抱くモヤモヤ(勿論これはロランス自身が自己の現在位置を把握できていないことに起因する)と、ラマが抱える出産への不安が重なる構成がスマートだと思った。妊娠中に卑属殺人裁判の傍聴なんて絶対しんどいに決まってるのだが、母になり損ねた女がどのような処遇を受けるのか、気にせずにはいられない。
ロランスの服と背景の木材の配色が絶妙。
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