圭佑

サントメール ある被告の圭佑のネタバレレビュー・内容・結末

サントメール ある被告(2022年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます


実際の裁判記録をそのままセリフに。
幼い娘を殺害した罪に問われた女性。
彼女は本当に我が子を殺したのか、、

実際にあった事件を元に映画化したとのことで、かなり重い題材の映画だった。
彼女は赤ん坊の自分の娘を殺した極悪非道の女なのか。
そこに至るまでの彼女の人生はどうだったのか。親子の関係、恋人との関係、彼女の人生プラン、その時々の気持ちの揺らぎや思い、彼女に関わる人たちのその時々の気持ちや接し方、どれが真実なのか、きっとどれも真実なのだけど、誰にとっての真実かはみんな違う。

最後に彼女の弁護士が話した言葉が凄く心に響いた。きっとそれを伝えるための映画であったのかもしれない。

圧倒的にリアルな裁判シーン
それを見守る主人公の心の揺らぎ、
彼女の人生においては被告の存在や生き方に重なる部分があったのかなと。

普通の人生ってなんだろう。幸せな人生ってなんだろう。
それは虚構に過ぎず、苦しくて辛いことの方がきっと多いし、苦しいとか辛いという概念も生きてきた環境や社会、その時々の自分自身の心の持ちようで変わる。自分の想像以上のことは、その人本人しか分からない。
そこにどう折り合いをつけて向き合っていくのか、向き合っていかないのか。
全ての人の全ての感情や人生には向き合えない。
ただ世の中にそういう人も居ると知っているかどうかで、どこか自分の人生に反映出来ることがあるのではないかと思わされた。
圭佑

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