kazuo

ホワイト・ノイズのkazuoのレビュー・感想・評価

ホワイト・ノイズ(2022年製作の映画)
4.8
いやー、凄かった!
予告見た時は災害による人間模様を描いたパニックムービーと思っていたのだけれどそれは作品の一要素でしかなく、もっと大きく全てに平等に存在する普遍的なテーマの映画だった!
自動車の衝突シーン、ヒトラー、エルヴィス、物忘れ、薬、災害、銃、信仰、日常、そして愛…
これらがテーマに収束して行く様は圧巻!そしてあのエンドロール!
みんなにオススメの傑作!
…と思ったら賛否分かれているのね💦

以下はネタバレ要素あるので注意⚠️


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ノア・バームバック監督って好きな監督で、作品は基本日常をオフビートな感じで描いている印象なんだけど、今作は何章かに分かれていて最初はその印象のオフビートなコメディタッチで進んで行くのだけれど、次の章ではもっとドタバタしたスラップスティックコメディ、終盤の章はリンチを彷彿とさせる眩暈感あるサスペンスを見せてくれるのでもう圧巻!

この作品のテーマは誰にでも必ず来る「死」への対峙であり、死により永遠に存在が無くなる事への恐怖を作中ではグレタ・ガーウィグ演じる妻の症状として描かれている。これは実存主義や唯物論的な観点を持つ自分にも共通する症状で、かつ折り合いの付け方は作中の登場人物である無神論者の尼僧に共通点があり、監督のオフビートなコメディセンス、終盤のリンチ的な眩暈感&あのエンドロールを魅せられたら好きにならないわけがない!
な、個人的にずっぽりハマった傑作です!
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