Sankawa7

蟻の王のSankawa7のレビュー・感想・評価

蟻の王(2022年製作の映画)
4.0
実実話ベースの1960年代イタリアであった教唆罪裁判の話
※他者を洗脳して精神的肉体的に従属させる殺人並みの重罪が同性愛者を裁く根拠法に使われた話だ。

蟻🐜の研究をする教授とその生徒が同性愛行為により、教授は前例のない罪に問われ、生徒は強制的に精神病院で治療されてしまうストーリー

もっと強い純愛ものを想像してたけど、想定以上に社会派で政治的テーマな内容だった。

ファシスト党が跋扈したイタリアのその後、まだ共産党にも勢いがあった頃、この事件の無意味さ🟰被害者の不在、が叫ばれる中、裁判は進行していく。実話ベースながら実話には存在してない共産党系新聞の記者が現代的目線での語り部として登場しており、当時の時代感と現代的考え方を繋ぐ役割。

LGBT賛歌でなく、ポリコレ追及ですらなく、教授も高邁な人物では無い。哲学者的魅力はあるが排他的だし優しい訳でもない。
性描写もほとんどなく、煮詰めたような観念的な描き方が良かった。

主題歌のスリープウォークはそれだけで郷愁をそそる。プレスリーの歌の使い方も良かった。

ハピエンでもバットエンドでも無いと感じた。

イタリアの風景は都市も地方も美しい‼️
そしてイタリア語🇮🇹はほんとにセクシーな言葉だ。
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