きょう

光復のきょうのレビュー・感想・評価

光復(2021年製作の映画)
4.1
認知症の母・安江と二人きりで長野県に暮らす、42歳の大島圭子。彼女は27歳のときに両親の介護をするために仕事を辞めて東京から長野に戻り、寝たきりの父親を看取った後は生活保護を受けながら母親の介護をしていた。婚期もキャリアも逃し、生きる意味も失いかけていた彼女は、母親の徘徊騒動をきっかけに高校の同級生・横山賢治と再会。何かと自分を助けてくれる横山の存在に希望を抱く圭子だが、安江がインシュリンの過剰摂取で亡くなり、警察の取り調べを受ける。


圭子はまだまだやりたいこともたくさんあったであろう27歳。そんな時に親の介護をしなければならなくなり…父の介護から母の介護まで💦介護一色の生活を送るうちに自分自身を見失いかけ…そんな時に高校時代の元カレ賢治に再会します。
しかし、賢治は妻も娘もいる既婚者。
それでも圭子のことが気になり、介護を助けたいと思うようになり…
最初はただ圭子親子を助けたいと介護を手伝っていましたが、かつて恋人同士だったこともあってかだんだんと2人は親密な関係になってしまいます。
許されない関係とはわかっていてもきっと、自身の生活に彩りもなかった圭子にとっては賢治との再会は心の安らぎでもあったのだと思います。賢治も家庭がうまくいってなかったのかな?その辺は謎ですが…
しかし、圭子の母がインシュリン過剰摂取で亡くなってしまってから、圭子の人生は介護一色で行き詰まっていた時よりもっとどん底に突き落とされてしまいます😢
母が亡くなった時にその場に居合わせたのは賢治。しかし、圭子は賢治を庇い自分が殺人の罪を背負う。
賢治を庇う理由も殺人者にさせたくない他に2人の親密な関係を隠したかったから。
しかし、賢治が自首したため、もっと圭子の立場はどん底となり…
何ものかに襲われ視力を失ったり、より生きる希望が失われていく様子が心苦しかったです。
このまま圭子は暗い闇の中を彷徨っていくのかと自分自身も観ていてかなり心がダメージを受けていましたが、終盤の方でお寺で生活するようになり、僧侶の教えなどでだんだんと明るい自分を取り戻しつつあるような流れに少し安堵しましたが…
ラストのラストはこれまた衝撃的で😱💦
でも、これで本当に地獄から這い上がれたのかもしれません。


1人で親の介護をすることは大変なことだと思います。主人公の母にたいする「死んじまえ〜!」のような暴言がある冒頭のシーンがそれを物語っていました。 
でも、先程も書いたようにそんな時はやはりちょっとした光も求めてしまうと思います。
主人公が徹底的に不幸すぎて、不幸と呼ばれる項目を全て背負ったのではないかと思うぐらいでした。これは人によって精神的にかなりダメージを受けるのでは?と思いました。
こちらを手掛けた深川監督と主人公を演じた宮澤美保さんはご夫婦。
仲良し夫婦が力を合わせて作られた素晴らしい作品でもあると思いました。
きょう

きょう