柴田悠

光復の柴田悠のレビュー・感想・評価

光復(2021年製作の映画)
2.1
監督の熱量で突っ走ったような映画。

この世の胸糞展開を詰め込んだような作品で、ジェットコースタームービーとしては面白いのだが、描写がとにかく表面的で、冗長な部分が多い。

主演の宮澤さんは確かに迫真の演技を披露しているが、他の役者の演技に難あり。美術や演出、説明的なセリフなど、ディテールの荒さも気になる。

個人的にはシュールなオチが一番好きだったが、後半の坊主の説教は聞くに耐えず、インサートの映像も説明的。

『ダンサーインザダーク』と比較している人もいるけれど、この作品は「ミュージカル映画の脱構築」「ドグマ95」という明確なコンセプトのもと作られた作品であり、本作がこの作品に匹敵する強度を持ち得ているかは微妙。

全体的に品がなく、私には合わなかった。ハマる人はハマるだろう。
柴田悠

柴田悠