「死にたいな……。って、いうか、なんで生きてるんだろ、って思うんです」。これは、認知症の母と二人きりで長野に暮らす主人公の大島圭子が、「お困りごとはありませんか?」と市の職員に尋ねられた時の言葉。シングル介護が急増している昨今、親の介護などで生活が不安定に陥る団塊ジュニアは約33万人いるとされている(2015 年 試算)。婚期もキャリアも逃し、生きる意味も失いかけた子供たち、そんな彼らに幸せはいつ訪れるのか―――。大島圭子、42歳。27歳の時、両親の介護のため東京の仕事を辞めて長野に戻った彼女は、生活保護を受けながら寝たきりの父親を看取り、今は認知症の母親、安江と2人で人目を避けて暮らしている。ある日、母親の徘徊騒動をきっかけに、高校の同級生だった横山賢治と再会する圭子。賢治は圭子の現在の生活を知り、手を差し伸べようと仕事の合間を縫って大島家に通うようになる。それまでは暗く、表情のない圭子だったが、次第に明るさを取り戻していき、年相応の女性として肉体と精神に火が灯り始めた。しかし、そんな平穏な圭子の日常に暗雲が立ち込める。母が急死したのだ。警察は検死の結果、インシュリンの過剰摂取による殺人事件と断定し、捜査に乗り出す。警察からの取り調べを受ける圭子。その人生は不気味な音を立てて崩れ始めていく―――。
四度のガンの手術から生還した夫が、アルツハイマー病を発症した妻に寄り添って介護を続ける12年間を描いた、夫婦の純愛と家族の愛情にあふれた物語。
釜山で働く娘の代わりに、中学生の孫息子ジョンウクを育てているミジャ(ユン・ジョンヒ)。ミジャは好奇心旺盛でおっとりしている。ある日、町の文化センターで偶然に詩の講座を受講し、人生で初めて詩…
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>>続きを読むそれは愛する人のために犯した罪だった…。袋小路の男を描く骨太な人間ドラマ母と妹を暴力から守る為、父を殺めてしまった石川一馬。社会復帰を目指し、更生保護施設で生活を始めるが、社会は彼を「人殺…
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