阪本嘉一好子

甘くない砂糖の阪本嘉一好子のレビュー・感想・評価

甘くない砂糖(1978年製作の映画)
4.3
健康食品を考えるというようなテーマのドキュメンタリーだが、この類の映画を年末6本も見たので、すこし混乱している。そして、その都度レビューを書いていないので、なかなか思い出せない。だけど、徐々にレビューを書くつもり。レビューを読んでもらえばわかるが、個人的にFood EvolutionとIn Defense of Foodが好きだが、The Need to Growは重要な食の新しい概念だと思う。

6本の映画は:

1)Food Evolution 監督スコット・ハミルトン・ケネディ
1)Fat
3) In Defense of Food
4) Vegucated
5) The Need to Grow

1日に、ティースプーン40杯分の砂糖を摂取(角砂糖40個分、160g)する。これが、一般的なオーストラリア人の砂糖の摂取量だというが、砂糖を食べていなくても食品のなかにこの量が入っているというのが恐ろしい。

クッキーやスナック菓子でなく、一般的に「健康に配慮している」だろうと思える食品を食べる実験である。シリアル、低脂肪ヨーグルトなど普段口にしているものだからなお恐ろしい。ダモン(Damon Gameau)は平常の健康的な食生活(ダイエット)をやめ、砂糖の需要を増やした生活を60日間して、それが自分の体にどう影響を与えるか医者の診断のもとで実験台になった。
ファーストフードの問題点を消費者に訴えた『スーパーサイズミー』と同じ形式で、特に科学的/医学的証拠を並べる食事療法ダイエット映画ではなく、あくまでのダモンの個人的経験からのストリーである。だから、砂糖に対する耐性の弱い私がダモンの代わりにこの実験をしたら、三日で頭がおかしくなり始めると思う。ダモンのようにいくら有酸素運動と抵抗運動をしていたとしても、普段少なくても砂糖を台所に置いていない生活をしている私には明らかに病気になる。だからといって、砂糖を食べていないわけではないので恐ろしい。
ダモンは二千十四年にThe Mai Wiru (Good Food) Sugar Challenge Foundationを作たらしい。特にオーストラリアのアボリジーの人々とアボリジニーではない人との健康寿命は十年のさがあるとしている。循環器疾患による死亡は22%の差があると。

毎日40杯分の砂糖を摂取し始めると、睡眠から目覚めると、砂糖が欲しくなる。それに、砂糖を食べても時間がたつと、また砂糖を食べたくなるとダモンは言っている。
いつも倦怠感があり、体が甘いものをたべたくなるようになったとも言っている。砂糖に中毒性があることは明らかだ。

映画では、「至福点」( Bliss Point )を紹介している。この言葉は私にとって新しい言葉で、これは1960年代にできた造語だと言っている。引用すると、「食べ物に添加される糖分の最適な量」であり、人間がおいしいと思える糖分の量のことであるとのことだ。

一番ショックで身近に感じたのはケンタッキーの17才の少年の歯だった。小さいころからマンデンデュー漬けになっているから、歯を失ってしまった。親の心境は?

カルフォルニアのバークレー市では こういう清涼飲料水(コーラ、スプライトなど)に税金をかける対策をしているが、これに果たして効果があるんだろうか?バークレー市の隣はオークランド市、そこで、清涼飲料水を買うことができる。でも、学校で清涼飲料水の自動販売機は禁止されているし、購買でも買えなくしているところもある。

蛇足:
こういう類のドキュメンタリーを配信でたくさんみることができるが、もっと日本の配給会社が買って一般上映したほうがいい。