このレビューはネタバレを含みます
初期の電子音楽に携わった女性たちを紹介するドキュメンタリー。現代にまで繋がるのかと思いきや1980年代で終了。
Clara Rockmore、Daphne Oram、Bebe Barron、Pauline Oliveros、Delia Derbyshire、Maryanne Amacher、Éliane Radigue、Suzanne Ciani、Laurie Spiegel、Wendy Carlosが登場。
ビッグネームが多い。フェミニズム的視点から多くが語られますが、これほど名前が揃っていてその必要はある?女性であるという点から語る矛盾も感じます。
黎明期のエンジニア兼作曲家の人たちの技術的な話への掘り下げが甘すぎるのも不満。単語だけ取り上げて説明をさせない、もしくはできないというありがちなドキュメンタリー的驕り。音の内部構造とかフィードバックの説明してみい。
当人たちの示唆的で含蓄ある言葉は惹かれますが、モノローグでの音楽ライターみたいな解釈はいかにも薄っぺらく片手落ちが続き、電子音楽の革新性が強く伝わるつくりでもありませんでした。これでは単に音色が変わったというだけ。
電子音楽というテーマは興味深く、音楽的にも印象深かったのですが、有名どころの人々を浚っただけという構成に満足感は得られなかった作品でした。