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ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!のGijoeGoのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

まさかタートルズで泣かされるとは思わなかった。それぐらい良かった。

NYのストリートアートが動いてる様な画面のルックも3DCGに荒い手書きタッチを足したスパイダーバースにも見られた表現とはまた別のアプローチで作品の猥雑な世界観に非常にマッチしていて良い。

汚く見える一歩手前レベルの過剰な情報量を暗い影の部分で情報整理され見やすい工夫が見られる。
内容も綺麗な世界観で売ってるディズニーの対極の様な立ち位置。

ストーリーはタートルズや他のミュータント達の誕生譚にもなっておりこれまでのコミック、実写、アニメ、CG作品未見の人でもウエルカムなリブート作品で理解しやすい。
しかも今回はエモーショナルな展開が多く序盤の若さゆえのおふざけや世間を舐めた行動にウザさを感じていたが中盤から後半はそれすら愛おしく感じるくらい彼等の生い立ちや社会的立場に涙を禁じ得ない。
90年代のアニメやマイケルベイ版では悲痛感は無かったがよくよく考えたら彼等の気持ちがよくわかる。
貧困層の負の連鎖の中にいる低層市民の代表の様に今は見える。
それがスーパーパワーで悪者退治のはずが出自が一緒の親戚のような先輩ミュータント。彼等も見た目で迫害された社会ののけ者なのだ。

その彼等が間違いに気付きスーパーフライに反旗を振りかざすのに自然と涙が。
過剰な演出はせずに落ち着いたトーンでリアルな芝居のギャップにやられたのかグッと来た。

一丸となって倒すも巨大クリーチャー化し手がつけられない状態に。

徹底的に追い詰める演出にそれでも立ち上がる彼等のミュータントならではの特技を活かした活躍にひたすら涙腺を刺激され更にピンチになった時にNYの労働者達も立ち上がるダメ押し!
それまでナイスな活躍をしていたエイプリルのクリティカルなサポートでNY市民のハートを掴む事に成功にスパイダーマン2の電車のシーンやアメイジングスパイダーマンの後半のクレーンのシーンを彷彿とさせるお決まりのパターンに条件反射で涙腺緩みっぱなし。

ジャッキーチェンがスプリンター役だったり実写パートでカンフーをマスターするくだりがあったり、エイプリルのキャラデザが太めの黒人というポリコレに配慮気味なのもゲロ大量嘔吐で爆笑したのでオールOK。

最後にはシュレッダーのチラ見せと続編作る気満々だったので、こうなったら次もお願いするしかない!

さすが「ミッチェル家とマシンの反乱」の監督だと後で納得。

普段聞かないヒップホップの曲もこの作品にはバッチリ合ってめちゃくちゃ上がる。
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