Hario

ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!のHarioのレビュー・感想・評価

3.8
【2023年劇場鑑賞作品45作目】

通常ならスルー案件のニンジャタートルズ。(ごめん!) 完全にアトロクの『ミュータント・タートルズ』特集での多田遠志さんと中沢俊介さんの話のおかげで足が向いたとしか言わざるを得ない。

映画館で予告を何度か観た時、クレヨン?いやどちらかというと油画のようなタッチ(なのに落書きみたいな絵w)にスパイダーバースの同様の次世代のアニメーション表現に惹かれたのも事実。そこにラジオでのあの話で、一気に食指が動いた。

1.セス・ローゲンが関わってる
2.音楽面 ヒップホップ色強し
3.ジュブナイルもの
4.監督ジェフ・ロウさんが脚本を担当した『ミッシェル家とマシンの反乱』が面白かった
5. 参加声優陣の面白さ

ノリノリでとっても楽しめた!
アクションシーンでの、決めのカメラワークは懐かしいようなベタなようなのにカッコ気持ちイイ!

低音を聴かせた劇伴がすごく身体にフィットして、Dolby Atmosなどではない普通の劇場で観たのに中低音のミキシングが心地良かった🎵

話に聞いてたイケてるヒップホップソングはもちろんのこと、インダストリアルノイズを利かせた90年代のSPAWN: THE ALBUMの曲たちを彷彿とさせる劇伴に心奪われた。ん!劇伴がトレント・レズナー&アッティカス・ロスだって言ってたじゃーん!気分爆上がり!
(今年に入ってこのコンビの音楽を劇場上映だけで3本も堪能できるなんて嬉しいことこの上ない)

参加声優陣たちの面白さも楽しめた要素。
4人のタートルズたちは実際に"ティーンエイジャー"の子達が務めてるとのことで、ノリが可愛い。
敵キャラのスーパーフライは、台詞がフロウしてラップかと思ったらICE CUBEか!そりゃそうだw
Post MaloneことAustin Postが参加してたこと忘れてた。あの歌うマンタレイだったのか〜もう一回歌声聴きたいw

タートルズ4人もそれぞれ個性が違って魅力的だけど、ミュータント軍団もそれはもう動物、魚、爬虫類、虫とバラエティに富んでるし、詳細なキャラ付けがモブではない「個」を感じさせてくれて物語が伝えるメッセージに厚みをもたらしていた。

台詞もやっぱり面白くって、それぞれが喋るリズムとのマッチで笑いを誘うし、音楽を聴いてるようなノリを感じられた。マーク・ラファロのくだり2回出てきたから😆

それらが全部融合されて、なんだか身体がノリノリで喜んでる楽しさを味わえた。「カワバンガ!」をもっと聞きたかったかも〜

そして最後に感じたメッセージ。
「誰かの役の立つ」ことで認められたい。世界(社会)の一員になりたい。その欲求は誰の心にもある。でもそうじゃなきゃ価値がない訳じゃない。「何もしなくてもあなたには価値がある」が前提で、誰かの役に立つことは、誰かの為以上に、自分の価値を自分が認める作用があるんだと思った。とても自己肯定感が上がる感覚がした。そんなことを考えたらウルっとしてしまい、多くの子ども、大人に観て欲しいと思った🥺


鑑賞日は公開日の週末だったにもかかわらず、人の入りはイマイチ…。場所柄があまりマッチしないのはあったかもだけど、こんな魅力的な作品なのに、もったいない。そのおかげで申し訳ないけど、良いスクリーンの良い席中央で両隣いない状態で観られて快適すぎた。年配の方々がお一人でこの映画観てるのも面白かった。まぁ自分も似たようなものだがw

後日、Netflixの『ボクらを作ったオモチャたち』タートルズのエピソードを鑑賞。こちらも面白かった〜。
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