メッチ

ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!のメッチのレビュー・感想・評価

3.7
タイトルのようにミュータントたちの価値観の混乱を感じる。それぞれ正しいから壁が生まれる。

別作品『スパイダーマン・スパイダーバース』が漫画みたいなアニメーション作品であれば、本作は落書きっぽいアニメーション作品。観ているだけで楽しめる感じでした。
お話としても、とある化学薬品によってミュータントになった亀の4兄弟とネズミの父親との家族が、人間社会に馴染むために悪戦苦闘する。人権とまではいきませんが、見た目で社会から阻害される者たちが、どのようにしていけば良いかを唱えていました。

しかし、本作に色んなメッセージ性がある中で、一番といって良いぐらい「親とはどうあるべきか?」という要素が強い印象を受けました。恐らく、私が勝手に「親とか教育」について考え過ぎてしまっただけだと思いますが…。
でもなぜかというと、4兄弟の父は毒親という程ではありませんが、どこか過保護。見守るという言葉とは、程遠いにように見受けられたからです。
「父親の言っていることを聞いていれば良い」という子を守りたいけど、ただ単純に親の価値観の押し付けが、子供達を束縛してしまっている。4兄弟たちに自分の身を守るために武術を身に付かせていますが、どこか教育の押し付けのようにも見えなくもない。
(でもこれは、結果的に4兄弟たちの個性になったからまだ良かった)

それに、作中にその父親がやっていたやり方に気が付かせるシーンがあります。本当に親として正しいやり方ではなかったのではないかと気が付くシーンは、観ていた私自身もハッとさせられました。
こういったところが印象に残り、作品のメッセージ性として、「親から子供への教育とはどうあるべきか?」みたいなことが挙げられるのではないかと解釈してみました。
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