湯船につかる。
「あぁ…」と声が漏れ出る。
人は温もりを求めている。
お湯の温度だけじゃあない。
大切なのは心と心の触れ合い。
暖簾の奥から聞こえる笑い声
湯気の向こうに見えるあの人の笑顔
今日一日流した汗
今年一年背負った苦しみ
全てが湯気となり
桶の音とともに何処かへ消えてゆく…。
振り切ったコメディかと思いきや意外にも真面目で丁寧な作り。
"まるきん温泉"のセットからもわかるように、誠実に作られた今作には非常に好感が持てる。
お風呂をテーマに描かれる様々な人生模様はほっこりと温かく、何だか肩の凝りがほぐれるような心地よさ。
そして今作一番の驚きは、橋本環奈が変顔を一度も披露しなかったこと。(←そこ!?)
これが実に功を奏している。
地上波放送待てばいいや…配信でいいや…と思われそうな今作だが、湯桶が大浴場に響く音を劇場で聴くのもなかなか乙なものだ。
劇場を出て思った。
「今日はゆっくり湯船につかろう。」
もちろん、シャワーで済ませたのは言うまでもない…。