「気になりませんか？普通名前とか年齢とか目的とか。どんな人か分かんないのって不安じゃないですか？」「そんなの当てにしたことないもん。第一それが本当のことかどうか分かんないし。その人がどういう人かは目を見れば分かるよ」
「みんなで食べたほうがおいしいってよく言うけどさ、みんなで食べてもおいしくないものもあるし、1人で食べてもおいしいもんはおいしいよ」
「僕たちはみんな人間っていう箱に入った宇宙人なんだ。"同じ人間"だなんてよく言うけどさ、一人ひとりみんなやってきた星がばらばらなんだから分かり合えないのが当然なんだよ。家族でも恋人でも友達でも。しょうがないじゃない、そもそも別の星の人なんだから。そう考えたほうが楽じゃない？」
「人の心を独り占めすることなんてできない。私だってされたくないもん」
「"まあいるんだね、そんな人も"くらいに思っといてくれればいいよ」
「人にも自分にも期待しないって決めたら少しだけ楽になった。だからちょっと怖いよ。仲いい人とかできるの。また1人になった時に寂しくなる」
「ムリして合わせて人といるぐらいなら1人でいた方がいい」
「しょうがねぇなぁ。じゃあま、しばらく沈んどけ。人の体は浮くようにできてっから。もがかなければ浮かぶんだよ。ジタバタするから沈むんだって」
