今泉力哉監督×有村架純の初タッグ。
原作のないオリジナル脚本が多い今泉力哉監督だが今作は人気漫画が原作。
原作は未読なので何の先入観もなく観れた。かなり今泉節が強い作品なので原作好きな人からすると空気感だったりキャラクターの色に違和感を覚えるかも。
常に「好き」という感情について描いてきた監督だが今作は少し違っていた。空気感や長回しは監督っぽいけどやっぱり原作があるためテーマ性は異なる。個人的には監督のやりたいように描きたいものを撮らせた方が好きだなと感じた。
それでも有村架純の温かさと冷たさを纏う掴みどころのない"ちひろさん "はとても魅力的。周囲の人を助ける訳でも慰める訳でもなくただただ側に寄り添ってくれる。そんな存在がこの閉鎖的な社会では必要不可欠なんだと感じた。特に何も起きないけどじんわりと胸にくる一本でした。
"あなたは孤独を手離さない"
ちなみに劇場公開版ではラストに特典映像があってこれが一番今泉力哉監督を感じさせるシーンだった。最高です!