ちひろさんのククレのネタバレレビュー・内容・結末

有村架純がとても魅力的。温かい気持ちになれるヒューマンドラマ！と思いきや…
実はものすごく深い心の闇を抱えた女性の話なのでは？見終わった後にいろいろと考えさせられた。

以下はネタバレ…









屈託のない笑顔で誰とでも打ち解ける、あっけらかんとしたキャラクターのちひろさん。風俗嬢だったことを隠すこともなく、誰かれかまわず関わっていくから、小学生から女子高生、ホームレス爺さんまで、みんなちひろさんには心を開いていく。あんな人いたら、そりゃ惚れてまうわ。

ただ、常にその笑顔の裏には冷たい「過去」を隠しているんやないかな？いろんな人の心に入り込んで行くくせに、自身は誰にも心を開いてへんやん。

マコトに「昔、背中を刺された」って言うてるけど…ストーカーされたのか？
ホームレス爺さんを迷いなく埋めてるけど、それは死体遺棄やで…手際良すぎて恐ろしい。
「したくなっちゃった」と言って連れ込んでたけど、行為中に男の方が引いてしもうてるやん…ただ「性欲を処理」してるだけなんやろうな。
弁当屋の多恵さんには正体を明かさず綾として仲良くなり、なぜか退院前に連れ出すけど…何が目的だったのか？

急に弁当屋を辞めてしまったみたいやけど、「リセット癖」がある人なんやろうな。ラストは牧場で働いてるけど、前職を聞かれて「弁当屋」と答えてる。ということは…風俗嬢の前は何をしてたんやろ？面接で聞かれなかったからわからへんけど、靴がボロボロだったとのこと。ホームレス爺さんの死体処理の鮮やかさを考えると、殺人してたかも…。「殺しちゃいなよ」って言うセリフもあったなあ。

子どもの時代が少し出てくるけど、どんな家庭環境だったのか？多分相当にしんどい幼少期だったはず。実はものすごい辛い経験をしてきて不感症みたいになってるのかもしれへんなぁ。「空っぽ」な人格やから、何にでもなれるし誰とでも「フラット」に関係を作れる。だから、ちひろさんの周りには人が集まるし、みんな癒やされていくけど、結局彼女自身はずっと満たされないままなのかなぁ…。「父親」や「母親」を求め続けてるんやろうな…。