たまて85

ちひろさんのたまて85のレビュー・感想・評価

ちひろさん(2023年製作の映画)
3.5
見終わって、気づいたけど、なるほど…今泉監督!
淡々と続くちひろさんの日常から垣間見える人々の背景と繋がり。
どんな境遇に生まれ育っても、その人が恵まれてるか、幸せかの判断は本人がどう感じているかに委ねられる。
価値観の合わない友達、自分の本音と向き合おうとしない家族、そこに場所を見つけれない女子高生がちひろさんを介して出会う人との新たな繋がり。。など。

人と向き合う事にまっすぐなちひろさんに、人々は素直に惹かれていく。
人々を導いて繋げたあとは、タンポポの羽のように自由に羽ばたき新たな地でまた新しい芽を出すちひろさん。
幻のようでいてしなやかに強く生きるちひろさんと。劇中何度も出てくる「食べる」シーンに「生きる」事を嫌でも考えさせられる。
誰かと食事をする事は、誰かと生きる事、語る事、分かりあう事。

職探し中につき、見終わった後は無性にお弁当屋さんで働きたくなった。