幽斎

エアポート2022 ザ・トップガンナーの幽斎のレビュー・感想・評価

3.0
C級スリラー(ホラー)をレビューする、Scavengerシリーズ第7界。原題「Top Gunner: Danger Zone」元ネタは私の2022年「裏」ベストムービー第1位「トップガン マーヴェリック」。一応定義はスカイアクション・スリラー、Rakuten TVで330円鑑賞。

恒例のシリーズ時系列
2020年 Top Gunner レビュー済、見る価値ナシ!(笑)
2022年 Top Gunner: Danger Zone 本作、まだマシ

続編を出すのは浅い理由と深い訳が有る。本家「トップガン マーヴェリック」が猛威を振るうCOVIDで映画館がロックダウン。劇場公開が延期に延期を重ね、再三に渡るパラマウントのネット配信要求を「コレは映画館で見るべき映画だ!」自分で資金を出したTom Cruiseが頑として譲らず、映画ファンの喝采を浴びた事は記憶に新しい。

チャッカリ便乗する筈が、本家の延期で肩透かしを喰らってもタダでは起きない「よし、そのうち公開するやろ、もう一丁!」アサイラムが再度本気で騙しに掛かる。メジャー作品を平気でパクるアサイラム、アメリカではアレな擬態をMockbusterと言う。勿論著作権侵害だが、一つだけ暗黙のルールが有る。ソレは「劇場で公開しない」。本作もスペシャル枠のTVムービー。TV-14なのでご家族御一緒に安心して観て頂ける。

パチモンの恥の上塗りの本作は前作の製作陣を一新、と言うか誰も引き受け手が無いので監督も主演も脈絡がない。前作はEric Roberts、本作はMichael Paré。民間機に爆弾が仕掛けられ、航空保安官が捜査する、一行で説明できる見事なテンプレ。Michael Paré 64歳の激シブな存在感でギリ成り立つのは流石だが。不本意な途中退場で旅客機も作品も急降下。機長が護衛機をF-16と連呼するがトップガン マーヴェリックと同じF/A-18。ホントにライセンス有るのかね?(笑)。

アサイラムはサメ映画で儲けた筈なのにCGが平成から全く進歩しない。トップガンを真似るドッグファイトを造れないのは先刻御承知。コレなら昔持ってたプレイステーション4「エースコンバット」遥かにリアル。パチモンを借りた被害者に、ソレなりの安モノ戦闘機映画を見せればいいのに、期待を裏切るから「銀河系で作られた映画の中で最悪」と酷評される。MiG-35と連呼する癖に、アメリカのジャケ写はMiG-31。

アサイラムを一手に引き受ける日本のアルバトロスは、本作を観て良心の呵責に耐え兼ねたか(笑)、同じパチモンの「エアポート・シリーズ」に挿げ替えたが、此れが大正解。日本の被害者は最小限のダメージで済んだ。「エアポート」的スカイアクション・スリラーとして見れば、アサイラム基準なら悪くない。トップガン臭を抑えたアルバトロスには、映画人として一片の良心を見た気がした。

真面目に作られてるので期間限定の楽天ポイントが余ってる方は、暇潰しには為るかも。
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