『駅馬車』以前のフォードのドロドロとした愛憎劇は個人的にあまりノれないのだが、特に本作は『香も高きケンタッキー』と一緒に観たので霞んでしまった。
ウォーレス・ビアリー≒気の小さいヴィクター・マクラグレンみたいなイメージは残ってるものの、前半の清々しさを伴った『カリフォルニア・ドールズ』の如く飛び交う肉体に対して、後半のビアリーの手にかけられる肉体には悉く否定的なイメージが付き纏っていてゲンナリした覚えがある。一見ダイナミックな飛行機投げも哀れみの側面を覗かせ、最終的には投げるどころかプロレスラーですらない男の首を…。
確かに面白いが、フォードのネームバリューに上塗りされた映画の一つ。