SHIDOU

ゼイラムのSHIDOUのレビュー・感想・評価

ゼイラム(1991年製作の映画)
4.5
主人公イリア(森山祐子)は、宇宙の賞金稼ぎとして相棒のコンピューター、ボブと組んで行動している。

今回のターゲットは、禁断の生物兵器、ゼイラム。

イリア達はゼイラムが次にやってくるポイントーー地球に先回りし、人工のバトルフィールド「ゾーン」にターゲットを誘い込むべく準備を進めていた。

ミカサ市の電気店に勤める神谷(螢雪次朗)と鉄平(井田州彦)は、「無断で電気を引き込んでいる輩がいる」と連絡を受け、現場に向かう。

2人は引き込みをやめさせようと現場に乗り込むが、おびただしい数の用途のわからない機械が並ぶも人の気配はない。張り紙でもして帰ろうとした時、神谷が偶然触れたスイッチが作動し、鉄平はゾーンに転送されてしまう。

果たしてイリアは、最凶兵器を倒すことができるのか?無人の空間でゼイラムと対峙することとなった神谷と鉄平の命は?


低予算ながら爆発シーンなど迫力満点だし、スタントアクションに負けないくらい、森山祐子の動きにもキレがある。

世界観、美術センス、クリーチャーデザインなどは、今見ても十分刺激的。雨宮慶太の持つ和の空気感が遺憾無く発揮されている。ゼイラム登場シーンで、バックに浄土宗のお経が流れるセンスにはシビれる。

今見ると正直ツッコミどころはたくさんあるのだけど、どうしてこんなに面白いかな!

と考えた時に、螢雪次朗と井田州彦のコンビの軽妙なやりとりや、2人とイリアが戦いの中で徐々に絆を深めていく描写が本当に大好きなんだと気づく(あと森山祐子のクールビューティーさ!お世辞にもうまい演技ではないが、地球の言葉を覚えたてという設定でそこは補完)。

特撮やアクション、最近はおおっと唸らせてくれる場面があればオッケー、という視点で観ることが多かった。

ただそれは逆に言えば、脚本の質や役者の演技にはハナから期待していないということなわけで…。

でもやっぱり物語を楽しめれば、映画は自分の記憶の宝箱にしっかり保存される。

牙狼の新作よりも、ゼイラム3を観たいと願ってしまうのはそこにある。

決して思い出を美化していたわけではないことを、今回再度観て改めて実感した。
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