ダイナ

ゼイラムのダイナのレビュー・感想・評価

ゼイラム(1991年製作の映画)
3.9
賞金稼ぎのイリアは太古の生物兵器ゼイラムを捕獲するため地球に降り立つ。そこに一般人の電気屋の男2人が巻き込まれ、彼らと共闘しゼイラムと死闘を繰り広げることになる…。

あらすじだけ聞くと邦画だとは思えないくらいのはっちゃけた世界観。賞金稼ぎて。オープニングタイトルで「ゼイラム」って出てくるところの車が中央に吸い込まれるように走っていく画のかっこよさとサスペンスドラマのような激渋いBGMで笑いそうになるのを堪えながら鑑賞。

住宅街や公園、廃ビルでクリーチャーと闘う話です。本作の設定で、捕獲用に「ゾーン」という密室空間を張る必要がありましてその中は現実世界と同じ外観で構成されているですが無人状態になるのでそこで大捕物やろうという算段。生活圏内がフィールドで活動範囲境界には見えない壁、足止め銃とか若干GANTZの雰囲気を感じたりもします。平成初期の空気感やCGホログラムがどことなくノスタルジーな気持ちを誘い、アニメチックな会話劇やコスプレ・着ぐるみ感溢れる容姿、ヒーローもの特撮にグロさを足したような印象です。

何が良いかってクリーチャーの造形ですよ!!!ゼイラムっていうのがゴッドハンドのボイドみたいなシルエットでおでこあたりに能面みたいな顔がくっつているという不気味な造形で、こいつが序盤テクテク余裕かましながら歩くところが笑えるんですがそこからどんどん増えるクリーチャー描写は滅茶苦茶気持ち悪くて良い!(褒)クローネンバーグ監督の「ザ・フライ」に迫るビジュアルというとイメージしやすいでしょうか。特撮は全然見ないんですが日本の特撮ってこの方面掘り下げてたりしないのかな?子供向けだから厳しいのかな?

主人公イリアのスーツが普通のセーターの上にショルダーアーマー付けましたみたいな安っぽさ。モンハンの女キャラ装備並みに見た目の防御力薄そうな感じがじわじわきます。珍妙で神妙で奇天烈なBGMも多く低予算感が結構見えてきますがここぞというところでは爆発演出を使ったりぐっちゃぐっちゃの戦闘シーンを描いていたりと見応えあります。

電気屋の2人も良いキャラしてまして、お約束感あるストーリーではありますが古代生物の見せ方はなかなか面白かったです。
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