タチユロ氏

ゼイラムのタチユロ氏のレビュー・感想・評価

ゼイラム(1991年製作の映画)
3.0
「やりたい事」が迸っている。
それだけで好感がもてる部分はある。

80年代ハリウッドのSF映画やアクション映画を見て「俺たちも作りたい、やってやる!」という情熱が90年前後の一部の特撮作品にはあると思う。
もちろん上手く行ってる部分もあるし、失敗している部分もあるけどやりたいことは伝わってくるよ!

上手くいってる部分としては、やっぱりゼイラムの造形。『子連れ狼』の弁天来三兄弟とギーガーのクリーチャーが合体したようなら見た目がカッコいい。日本特撮ならではの着ぐるみ怪獣でありながら、後半にはストップモーションアニメも出てくる。
森山ゆう子の“THE 90sアニメヒロイン”なキャラクターも恥ずかしさはありつつ、草薙素子的女性キャラの実写化を律儀にやっている。

ただ拙い部分はもちろん沢山ある。
舞台を無人の町へと隔離する段取りは低予算映画ならではの工夫が効いてていいと思うのだが、何より残念なのは女戦士イリアが意外と出番がない。訳もわからず事態に巻き込まれるおっさんと若い男が逃げるだけの展開が続く中盤は中々しんどい。
ついでにおっさん役は平成ガメラでも怪獣に襲われ続けていた螢雪次朗。
タチユロ氏

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